先ずお断りしておきたいのですが、僕はアンバサダーを特別に改造することはしていません。改造せずとも実用的には充分だと思っていますし、オイルやグリス、パーツも純正品で満足できるレベルだと考えているからです。ですから改造については飽くまでも自己の責任で行うようにしてください。

それでもどうしても改造したいという方のために・・・・・

最もありふれていて皆さんが最初に手をつけるのは、ベアリングの交換とギヤの交換ではないでしょうか?特にブッシングモデルをボールベアリング入りにしたり、ノーマルスピードのギヤをハイスピードにしたいというのは良く聞く話です。

先ずベアリングについてですが、ご存知のようにアンバサダーのオールドモデルには、フランス製の樽型をしたベアリングが使用されています。このフランスのメーカーは ADR という名前で、使用されているベアリングの品番は WG23SP22 というものだと思います。ちなみに初期のものでは ABU の刻印が入ったものもありますが、基本的には同じものと考えて良いでしょう。

良くあるのはこのベアリングを純正のシールドタイプからオープンタイプに替えてしまうというものです。オープンタイプはシールドタイプよりも摩擦部分は少なく、油差しや汚れ取り等のメンテナンスもしやすいと言われています。しかし反面ではホコリ等が入りやすいという一面もあるので、どちらがベストとは言えないと思います。使い捨てにするつもりでまめに交換するつもりなら、オープンタイプが遠投志向派には向いていると言えるでしょうか。

ベアリングの購入先としては、近くにベアリング専門の問屋などがあれば、それに越したことはありません。うまくすると1個300円程度で、そこそこの品質のものが入手可能です。近くに問屋などがなくても、例えば三友電子工業さんのように小ロットで通販対応してくれるところもあります。他にもサーチエンジンで調べればいろいろなところがあると思いますので、価格を検討して利用されると良いでしょう。

ちなみに樽型ベアリングの外形は10mm、内径は3mm、幅4mmとなっています。もし近くに購入できる店舗があるのであれば、リール本体をそのまま持参して実際に合わせてみるのがベストです。ない場合には、不安だけれどサイズを良く確認の上でメールオーダーするしかないですね。

良く問題になるのは、ブッシングモデルをベアリング入りに改造したいというケースです。ブッシングモデルとベアリングモデルではシャフトの太さが違いますので、上記サイズのベアリングを購入しただけでは取りつけが出来ません。良く皆さんの頭痛の種になっているようです。

ちなみにベアリングモデルのスプールシャフト径は約3mm、ブッシングモデルは約3.5mmです。現在では純正採用のものをはじめとして、3.5ミリ内径のベアリングも発売されていますので、これらを利用するようにしてください。なお3.5mm内径のものはあまり規格自体が一般的でないため、純正以外では入手が難しい場合もあります。

問題になるのはこの場合ですね。純正品はこの問題の解決に最も良いとお勧めできますが、価格が高い(1個1000円はします。つまり1組少なくとも2000円という訳)のが難点です。それに純正品にオープンタイプはありません。1個300円程度の国産で安く上げたい場合には、乱暴な話、シャフトをヤスリなどで0.5mmほど削り取ってしまうという事もできないではありません。でもこれをやると、後でやはり純正状態に戻したくなった時にできなくなってしまいますので、とてもお勧めはできないですね。

純正3.5mmの場合にはいつでも元に戻すことが可能ですが、外形が樽型ではないため、ベアリングケースの中でベアリング自体が空回りしてしまい、キャストのたびにシュイ〜ンと高い音を出すのも、気になる人にはチョット気になるかもしれません。

1500C/2500Cなどには、外径11mm、内径5mm、幅4mmのものが比較的容易に見つかることと思います。

次にギヤの交換ですが、ノーマルギヤをハイスピードのものに交換したい場合、ドライブギヤとピニオンギヤを交換しただけではハイスピードにはなりません。これはピニオンギヤを受けているヨークの内径、スプールと噛み合うためのピニオンギヤのクラッチ部分の形状が異なるためです。

したがってこのような場合、専門のギヤのキットが必要になります。このギヤキットは現在もアブの純正として出ていますし、グレッグという会社からも1970年代には似たようなギヤキットが発売されていました。構造はどらちもほぼ同じで、ノーマルギヤのクラッチ形状に合うようにギヤを組み合わせたものですが、グレッグのものではクリックスプリングが付いていないので、ドラグ逆転時に音ナシになってしまうという欠点があります。

いずれにしても、ノーマルをハイスピードにするには、これらのキットの利用が最も手っ取り早いと言えるでしょう。そうでないと、ハイスピードモデル用ドライブギヤ、ハイスピードモデル用ピニオンギヤ、ハイスピードモデル用スプール、ハイスピードモデル用ピニオンヨーク、ハイスピードモデル用ドラグワッシャーおよびクリックホイールを1式全て買い求めて、これらをソックリ入れ替えてやる必要が出てきます。

雷魚釣りなどで多いのは、ドラグが滑るので強化したいというものです。僕自身はそのような必要を感じたことがないので、ドラグの強化はしたことがありません。一般に良く利用されるのは、ドラグ強化用として各社から販売されているドラグワッシャーに交換する方法ではないでしょうか?テフロンやシリコン系の材質を使ったものが多いのですが、自分で素材を買ってきてポンチで打ち抜いてやれば、幾らでも好みのものは自作可能だと思います。

ただしあまりドラグ性能にこだわった挙句、ドラグノブをギッチリ締めつけ過ぎると、真鍮製のドライブシャフトが変形してしまって、巻き上げやその後のドラグ性能に影響を及ぼす場合があります。飽くまでドラグは糸を滑り出させるための機構なのですから、無茶は禁物です。僕自身はずっと以前雷魚用として、5000Dのブレーキプレートをそのまま6000のフレームに移植して、ダイレクトの6000サイズとして使用していましたが、あるいはこんな方法も利用できるかと思います。でもダイレクトだからといってあんまりムチャクチャな使い方をして、ギヤの歯をなめたりしないように、タックルは大切に扱うようにしましょうね。

レベルワインダーにベアリングを組みこむ、というのも近頃では広く行われているようです。確かに遠投性能は少しは良くなるのでしょうが、そもそも僕はそんなに遠投を必要としないことが多いので、いまだ試みたことがありません。B-トラップなどのセルフ交換キットも出ていますし、ショップに頼んで組み込んでもらうこともできるようです。

その他に改造としてよくあるのは・・・・・。

ブレーキブロックをグラスファイバーの純正から他のものに替える。グラスファイバーは非常にブレーキ効果が高いので、プラスチックなどのもっと滑りやすいものにするとブレーキ効果が弱くなって、回転が良くなったような錯覚を得られるようです。当然バックラッシュの確率も高くなると思うのですが、絶対遠投したいという人には良いと思います。素材はビニールチューブなどを切って自作することもできますし、純正のものを短く輪切りにしたり、紙やすりで徐々に削ったりして、重量を変えることができます。輪切りにする場合には、薄くて鋭利な刃物を使用して回しながら切るようにしないと、ブロック自体を押しつぶしてしまいます。

ブレーキドラムを鏡面のように研磨するという方法も、遠心ブレーキの抵抗を減らすために用いられる方法です。これとともに、接触部分のスプールシャフト自体を鏡面研磨するという方法も、遠投派には行われているようです。効果のほどは?ですが、多少の効果はあるのかと思います。

上記の方法のずっと前には、歯磨き粉で各パーツを磨くといったことも行われていたようです。歯磨き粉には研磨剤が入っていますので、当然表面が削れて、その分隙間が大きくなるということになります。これをスムーズさが増したと考えるか、ガタの分が増えただけと考えるのかは貴方の捉え方次第だと思います。ちなみに僕は不必要にパーツを削るのはどうも性に合いません。

オイルを純正品から他のものに変える、というのはポピュラーです。良く利用されているのはミシン油やモーターオイルの粘土が低いもの、シリコン系のオイルなどですが、それぞれが一長一短あるようで、どれがベストというのは僕には分かりません。トーナメントキャスターたちは、何十種類の油を、使用するタックルやベアリングの種類、温度や湿度、その他の気象条件により使い分けるそうですが、果たして実際の釣りにそれほどのこだわりが必要なものかどうか、僕には定かではありません。一説によると、時計用のルージンという非常に高価なオイルが一番だという人もいますが、いかがなものでしょうか?今のところ僕には純正品のオイルで十分なようです。一般的に言って、粘土の低いものほど回転時の抵抗は減らせるようですが、接触部分の磨耗する度合いも高くなると思います。