日本では古くからキャンプストーブメーカーとして有名なオプチマス社は、彼らのホームページによると1899年に事業を開始したということです。正式名称は Optimus A.B. International といい、A.B.はスエーデン語で株式会社を表す言葉、Actiebolaget を省略したものとされています。さしづめ、日本ならKK、英語圏ならCorp.といったところでしょうか。スエーデンには当時すでにプリムス (Primus) という大手メーカーがあったのですが、ついにはその会社をしのぐほどの規模となり、1962年にはLPガスストーブ以外のプリムスブランドの使用権を、そして更に後にはもう一つの有名ブランド・スベア (Svea) をも手中に収め、名実共にトップブランドに成長します。多くの著名な競争相手があるいは消えていき、あるいは他社に買収されてしまった訳ですが、現在でもオプチマス社は、スエーデンはおろかヨーロッパを代表するキャンピング用品メーカーとしてその名をとどろかせ、彼らの開設しているウェブサイトでは現行品の全ての分解図が公開されています。時代に取り残されずに生き残って来れたのは、やはりLPガスストーブなどの流行に左右されなかったその頑ななまでの姿勢と、8Rなどヒット作を多く開発してきたアイディアの多様性、そして世界中のキャンパーから支持されて来たことの証しであると言えます。オプチマス社は現在でも白ガソリン用のストーブを中心にスベア123R (Climber) 、8R (Hunter) 、10 (Rainger) 、111 (Hiker) T−80 (Nova) の製造を続けており、軍用ストーブとしても非常にポピュラーなブランドです。

オプチマスブランドのケロシンストーブ中もっともポピュラーものの一つ、 No. 00。100年近い歴史があり、製造年代ごとに様々なバリエーションが存在している。画像のものは、1990年ごろ購入したスター商事正規輸入品。圧力調整弁はフィラーキャップ真上に位置し、バーナーや五徳はタンクより取り外せるようになっている。ポンプノブには、バーナーを取り外した時にフタができるように、タンクのキャップが被せられている。

画像のものはサイレンサー付きのオプチマス No.5。初期のケロシンストーブは、開けやすいようフィラーキャップにつまみ付き、圧力調整スクリューはフィラーキャップ脇に付いているのがわかる。そして五徳やバーナーはタンクから取り外すことを念頭に置かれていないので、バーナー下部のネックがタンクから飛び出したデザイン。余熱ザラにはカバーはなく、代わりにドーナツ状のヒーティングプレートが付いている。

オプチマスの代表的小型ストーブ・8Rは、1950年代からの登場だと思われる。最初期のものはクリーニングニードルが内蔵されておらず、そのためモデル名にはRの文字は付いていない。またケースの色は緑色で、形もより角張ったものである。その後1970年代までのものには、ケースに取っ手が付き、ケース内部にも収納時のガタツキを押さえるためのサポートが設置されている。またスロットルノブも大型のプラスチック製のものである。画像のものはその年代のものである。1970年代半ばには仕様が変更になり、取っ手やサポートは省略されるようになる。またスロットルノブもレンチ兼用の金属のものになる。

ケース後部に取っ手が設けられているのがわかる。またケース上部にはエンボスされた8Rの文字が見える。ノブは大型円形のプラスチック製。レンチは別にケース内側のスリットに収められている。

8Rと並んで代表的小型ストーブの最有力候補に上げられるスベア123Rは、元々はオプチマス社の設計によるものではなく、後にオプチマス社がブランドごと買い取ったものとされている。1950年代にスベア社 (A.B. Max Sieverts) により生産されたものオリジナルのものはクリーニングニードルを備えておらず、末尾のRの文字はない。