アンバサダーのオーバーホールについてですが、通常汚れやホコリが特にひどい場合を除いては分解清掃などは特に必要ないとは思います。メンテナンスについてですが、基本的にはオイルを差す程度で十分でしょう。個人的な経験としては、それも釣行毎というのではなくて、せいぜい2〜3回に1回くらいの割合でも十分です。油を差す個所としてはレベルワインダーのスクリューと爪の部分、それからスプールキャップの内部にそれぞれ半滴も垂らせば良いでしょう。それと年に1回くらいはシャフトにも油を垂らしてやります。むしろ問題になるのは油の差し過ぎで、これが多すぎると下から染み出してくることがあります。また遠心ブレーキのブロックにも油が回って、油の抵抗で回転が落ちることはもちろん、指についた油で水質を汚すことにも繋がりかねません。目安としては、回転部分が油で湿っているようならば、敢えて給油の必要はないと思います。あまり神経質になる必要はありません。
長期間使用していると、水垢や汚れが付着してきます。当然回転も落ちてきますので、そうなるとクリーニングを考えられたほうが良いかもしれません。使用頻度にもよりますが、通常は1年に1回でも十分でしょう。要は汚れがひどくなったら実行するということです。水洗いで落ちる汚れならば、水道水を流しながら歯ブラシでこするだけで良いと思います。水洗いした場合には、陰干しで完全に乾燥しないと、水気の残った部分から腐蝕する原因を作ってしまいます。長年使用していると、金属カスとか水洗いでは取れない汚れが付着することがあります。そのような場合、完全に油分や汚れを取り去りたいのなら、溶剤の中でドブ付けにして洗うことになります。この場合、溶剤はガソリンよりも灯油のほうが良いでしょう。理由は、ガソリンだと浸透する作用が強すぎて、塗装面やプラスチック部品をいためる恐れがあるからです。(長時間漬け込むことは、例え灯油であっても厳禁です)洗浄後は完全に乾燥した上で、注油とグリスアップをキチンと行ってください。ただし灯油の使用はステッカー類の接着剤に剥離作用を起こします。この点では十分な注意が必要です。シンナー、ベンジンなど浸透力の強い溶剤は、塗装面やプラスチック素材の変質を招きますので、一切使用しないのが無難です。
分解時についてですが、最も大切な点はネジ山のスリットやロックナットのサイズにピッタリ合った工具を使用することです。サイズが合わないものを使用すると、えてしてネジ山をナメテしまったり、ロックナットの角を削ったりしがちです。アンバサダー備え付けの工具はこの点かなり良くできていると思いますが、できれば専門のものを用意できればそれに越したことはないでしょう。
給油する場合、メーカー指定の箇所は下記の図に示されています。水滴マークがオイル、+マークがグリースを表し、マークの数が多いほど必要量も多いことを表しています。

ベアリング内に水垢や金属などのカスが溜まり、回転が極端に悪くなったり、キャスト時にギャーーッと大きな異音が出る時があります。ベアリングドラム内の古いグリスや油が固まった時にも、同じ様な現象が起こります。この場合、ベアリングを新しいものに交換するのが良いのでしょうが、古いグリスや油の固着でしたら以下のような方法で改善することができます。
ベアリングを左右のスプールキャップドラム内から抜き出し、熱いお湯の中に5分ほど付けます。固着がひどい時には、沸騰したお湯の中でしばらく煮沸すると、古いグリスや油分が溶け出して、回転が滑らかな状態に戻ります。お湯に付けた後は必ず十分に水気を乾燥し、適量の油を注油することを忘れないでください。