
オーストリア軍も正式採用しているホエブスは、特に日本では登山部などの共同装備として良く使用されていたので、往年のクライマーには馴染みの深いストーブの一つである。ホエブス自体はそれほど規模の大きなメーカーではなく、ラインナップもケロシンストーブ2種ほどの他には、お馴染みの625、725のマルチフューエルストーブがあるのみである。実際にはマルチフューエルといっても使用できるのは白ガソリンかケロシンに限られ、ノズルの交換によりどちらか一方が使用できるというものであった。日本の一部ファンの間では人気は相変わらず高かったのだが、1990年代初めには時代から取り残され、惜しまれつつ半世紀に及ぶその歴史を閉じた。近年オールドストーブの人気が高まるにつれ、パーツの入手難なども手伝って相場は驚くほど高騰している。そのためホエブスのレプリカを専門に製作する日本メーカーさえ現れたほどである。